サラウタ①
朝。
最寄り駅から会社につくまで約五分歩く。
五分。
音楽なら大体一曲はフルで聴けるくらいの時間だ。
この五分間がサラリーマンとしての1日が始まる前、一人のコニシ。としていられる最後の時間となる。
このラスト五分間にいったいどんな曲を聴くか。
僕にとって非常に重要で大切な時間である。
最後の一曲がうまくばっちりはまると、今日1日を前向きに乗り切る気持ちを与えてくれる。
己を奮い立たせ、サラリーマンを支えてくれる歌。
それこそが「サラウタ」である。
今日はウォークマンをシャッフルモードにしていたら、いつ入れたかも忘れたこの曲が自身のヘッドホンから流れてきた。
木琴のような心地よい音から始まるイントロが、題名通り田園風景を思い起こさせる。思わずどこかに還りたくなるような切ないメロディーと玉置浩二の男らしい歌声が痺れる。
石コロけとばし 夕陽に泣いた僕
夜空見上げて 星に祈ってた君
アブラにまみれて 黙り込んだあいつ
仕事ほっぽらかして ほおづえつくあの娘.
何もできないで誰も救えないで 悲しみひとつもいやせないで
カッコつけてないで やれるもんだけで
毎日 何かを 頑張っていりゃ
生きていくんだ それでいいんだ
ビルに飲み込まれ 街にはじかれて
それでも その手を 離さないで
僕がいるんだ みんないるんだ
愛はここにある 君はどこへもいけない
大人になれば、誰しもがやるせなく、消化しきれない感情を抱え込みながら、それでもやってくる毎日をせっせと消化している。
歌の中でもうまくいかない日々を過ごしている人々を歌い上げ、それでも毎日生きていく、それだけで。いや、それが素晴らしいんだと歌い上げてくれる。
サラウタに必要なのは、現状に対する苦しみ・葛藤を抱えつつ、それが解消することはできずとも、それでも前向きに生きていく勇気を与えてくれる要素だと思う。
そういった意味で、この歌はまさにベスト・オブ・サラウタと言っても差し支えないだろう。
個人的には"ビルに飲み込まれ 街にはじかれて"の部分のメロディーラインは本当に聴いてて心地いい。最高。
おすすめサラウタ度 ★★★★★